ブロック塀・石積塀・ブロック土留め擁壁の地震や強風、豪雨時等の倒壊崩壊危険性・点検、造り替えの勧め、除却補助金
前回ブログの続きです。
前回は、「大阪北部地震から1か月・地震被災地は、地震、西日本豪雨、猛暑のトリプルパンチ・余震・大地震対策、耐震設計+制震設計、免震地盤補強、液状化地盤補強」
< 大阪北部地震地震でブロック塀の倒壊で小学生死亡>
今回の大阪北部地震地震では通学途中の小学生が学校プールのブロック塀が倒壊して下敷きになって死亡し、危ないブロック塀の危険性が改めて浮き彫りになりました。
倒壊したのは、建築基準法を違反したブロック塀でした。
プールをつくったあとに、プール内をのぞかれないように、設けたブロック塀です。
大阪北部地震から1か月 女児死亡の小学校で黙とう NHKニュース
< ブロック塀の地震や強風時等の倒壊危険性>
違法なブロック塀は世の中にたくさんあります。
市役所が発注した、今回の小学校のブロックでさえ、違法だったわけですから。氷山の一角です。
塀高さ制限違反や控え壁がなかったり、その間隔が適正でなかったり、鉄筋がなかったり、必要な太さや間隔に入ってなかったり、塀直下に鉄筋コンクリートの基礎がないなど。
築年数がたっていると、基準通りに建てられていたとしても、経年劣化等で、白華現象といって、ブロックどうしを接着剤的につなぐ、モルタル(セメントが主成分)などの劣化により、白い汚れが出て、場合によっては赤さび汁がでていると、中に入っている鉄筋がさびてきている可能性がありますので、各家庭等で、既設ブロック塀の点検が必要です。
また、新設する場合は法に適合している設計をしているかが重要です。
ブロック塀の安全確認について(PDF形式:123KB) 岡崎市:
ブロック塀大辞典 社団法人 全国建築コンクリートブロック工業会 公式
安心なブロック塀とは 社団法人 全国建築コンクリートブロック工業会 公式
あぶないブロック塀とは 社団法人 全国建築コンクリートブロック工業会 公式
あんしんなブロック塀をめざして 一般社団法人全国建築コンクリートブロック工業会 公式

地震だけでなく、台風など強風でも、高い塀は風が抜けにくいので、倒壊する可能性があります。
風抜き用の透かしブロックが連続して並んでいるブロックは、耐震上、不安です。
豪雨があれば、大量の雨によって、塀の基礎周辺の地盤が緩んだり、くぼんだり、流されたりして、倒壊する可能性があります。
ブロック塀だけでなく、石積塀も倒壊や崩落の可能性があります。
見通しの効かない塀は、防犯上、不利です。
泥棒が塀の中に入ったら、外側(道路や隣地側)からは、塀が邪魔で、泥棒が見れないからです。
向こうが透けて見え、泥棒がいやがるくらいの、風が通るフェンスや生垣等のほうがいいです。
風も通り、倒壊しにくくなります。
各地の自治体では、今回の地震によるブロック倒壊圧死をうけ、ブロック塀の調査点検や撤去や改修の費用を補助する制度を新たに設けるなど、通学路の安全対策も進められています。
民間の会社や個人の住宅でも、ブロック塀の撤去やフェンスや生垣等への造り替えを進めてほしいものです。
<隣地境界線にまたがってつくられた塀や土留め擁壁の造り替えの困難さ>
隣地境界線にまたがって、塀がつくられていることもよくあります。
昔の家はこういうことがよくありました。こういう場合はやっかいです。
塀の所有がだれのものか、まず調べる必要があります。
隣地との共同所有か、自分または隣地の塀が越境した状態のものか、土地が賃貸の場合、家の所有者でなく、土地所有者の塀だったり、共同所有だったりします。
隣地の世代や所有者等が変わっていると、情報が引き継ぎされず、住んでいる本人でも知らないことがあります。
土地の売買契約で、前所有者の権利が含まれているなら、その権利も一緒に、土地購入者に引き継がれるか確認必要です。
遠方に住んでいたり、住んでいる場所が分からず、連絡もできない可能性もありえます。
賃貸地だと、土地所有者オーナーの同意が必要になります。
隣地側の塀の所有者や土地所有者等の同意が必要で、自分の意志だけでは、造り替えることができないです。
それも、隣地が複数あるとなおさら大変です。
造り替える費用負担の問題もあります。
だれが払うか、半分ずつ払うかなど。民法でも定められていますが、その通りになるかどうか。
新たに土地購入して家を建てたり、中古住宅付住宅をリフォーム等して住む場合、こういう土地が候補なら、購入を避けるか、隣地所有者と事前に話し合いをしておくほうがいいですが土地購入契約前では、土地所有者になっていないので、口約束しかできず、法的な効力がありません。
できれば、土地契約後、すみやかに合意して、塀をフェンス等に作り直したほうが安心です。
造り替えなかった場合、いざ、地震等で倒壊した場合、ブロック控え壁がなければ、どちら側に倒れるか分かりません。(あってもどちらに倒れるかは分かりませんが)
請われたブロックは撤去はだれがするのか、その費用負担はどうするか、自宅や隣宅や、外構に置いてあるもの等に損害を与えた場合、どうするかなどの問題があります。
これは、塀だけなく、土留め擁壁が、隣地境界線にまたがってつくられた場合も、同様な問題を生じる可能性があります。
<危ない土留め擁壁>
危ないのはブロック塀だけではありません。
道路や隣地などとの敷地高低差を解消するために、土留め擁壁として、安易にブロックが使われていることがよくあります。
鉄筋の入ってないブロックや設計基準通りの施工がされていないブロックや厚みの薄いブロックや、積んである段数が高いものなどは、地震時や豪雨時の雨水浸透による水圧により、崩落や倒壊の危険性があります。
高さ2m以下の擁壁は、工作物確認申請が不要なので、役所や確認検査機関などによる、第三者のチェックがなく、モラルのない会社や知識のない会社によって、好き勝手に造られている可能性があります。
請負工事金額が500万円以下の場合は、建設業許可が不要なので、何も知らない素人が作っているかもしれません。
これはリフォーム工事でも同様な問題がおきています。
法に適合する現場打ちコンクリート擁壁や既成コンクリート(プレキャストコンクリート)擁壁や間知コンクリートブロック積や間知石積などに造り替えたほうが安心です。
<所有者の責任>
塀や土留め擁壁の所有者は、万一、崩落や倒壊したら、いろんな被害が及ぶことを想定しておかなければなりません。
塀が家側へ倒れてきたら、自分や家族だけでなく、家へもダメージを与えます。
通行人や通行車など人や隣宅等に危害与えたら、訴訟で損害賠償を支払う義務が生じる可能性があります。
人ごとではありません。
隣地や道路よりも高い敷地で、自己所有する擁壁が崩壊したら、自分の家が傾いたり、倒壊する可能性がありますし、下にある道路や隣地や通行人や通行車などへ被害が及びます。
隣地や道路よりも低い敷地で、自己所有する擁壁が崩壊したら、上の土地に建つ隣家が傾いたり、倒壊する可能性があり、自分の家への被害が及ぶ可能性があります。
<ブロック塀 除却補助金>
愛知県内に限らず、各自治体では、危険なブロック塀を除却する場合に補助金制度があるところもあります。
岡崎市:倒壊のおそれのある住宅・ブロック塀等の除却費補助制度について
<オープンハウス見学会のお知らせ>
設計した建て替え住宅で、既設ブロック塀の倒壊の危険性を排除するために、既設ブロック塀を撤去し、フェンスに変えた設計事例があります。
愛知県岡崎市で、私たち夫婦建築士が設計した「備える家/岡崎」のオープンハウス見学会を開催します。7月28・29日
最高クラスの耐震等級3、地震の揺れを半分以下に抑える制振金物、最高クラスの耐風等級2、家具転倒防止金物設置下地、感震ブレーカー付分電盤 防火 他
詳しくはこちらのオープンハウスお知らせサイトへ。
岡崎のKANO空感設計 加納年勝

次回に続く。
「自治体の地震対策としての補助金制度・生垣、家具転倒防止金具、耐震診断、耐震改修、家の除却」





