Blog / KANO空感設計 あすまい空感日記・・・明日の私(MY)の住まい

耐震性を最高ランクの耐震等級3に上げるだけでは不十分・「構造計算」と呼べない簡易な「壁量計算」ではなく、高度な「許容応力度計算」による「構造計算」が必要

前回ブログの続きです。
前回は、「熊本地震から2年・被災地の今・NHK「鶴瓶の家族に乾杯」で出会い旅・地震規模・被災規模・地震関連死・土砂災害・液状化現象」

< 大地震にあうたびに、耐震性は大きく低下>
熊本地震の調査で分かったことですが、大きな地震にあうと、家の耐震性は3割低下すると言われています。
激しい揺れにより、構造体の接合部が緩んだり、耐力壁(世間では耐震壁ともいいますが、地震だけでなく、台風等の強風にも耐える壁なので、耐力壁が正しい)である、筋交いや耐力面材を固定するビスや釘が緩んでしまうからです。

 大地震の度に改定されてきた耐震基準ですが、現在のものは2000年に設定されたもの、阪神・淡路大震災後に策定されたものであり、東日本大震災のようなマグニチュード9クラスの大地震までは想定されていません。
建築基準法の耐震基準を満たしているだけでは、最初の地震に耐えられたとしても、繰り返しの大きな余震や次の大きな地震に耐えられません。
耐震基準でうたわれる「建物が揺れに耐える」とは1回の地震で建物が倒壊・崩壊しないことであり、繰り返しの余震までは想定されておりません。
耐震等級1は、最低ランクであり、建築基準法の基準ですが、これさえ守っておけばいいというものではありません。
それは、建築基準法は、人命優先であり、建物の損傷や傾きを許容しているからです。
家がつぶれて人が死なず、逃げる時間を確保するだけの最低限の基準なのです。

余震や次の大きな地震が来たら、倒壊する可能性は十分にあります。
事実、熊本地震では、新しい家(新耐震基準の家や現行の耐震基準の家)がたくさん倒壊しています。
繰り返しの大きな余震や震度7の2回の地震で倒壊しました。
大地震後には大きな余震が繰り返し襲ってきます。

また、熊本地震のように、震度7のような大きな地震が連続で、2回起きるかもしれません。このようなことは初のことでした。
 
建築基準法通りの家(耐震等級1)の耐震性を1とすると、大きな地震で、3割耐震性が低下して、0.7になってしまいます。
耐震等級2の家は、建築基準法の1.25倍の耐震性がありますが、大きな地震で、3割耐震性が低下して、0.875になってしまいます。
耐震等級3の家は、建築基準法の1.5倍の耐震性がありますが、大きな地震で、3割耐震性が低下して、1.05になります。
この場合のみ、かろうじて、建築基準法の求める基準をクリアできますが、繰り返しの余震や今後の大きな地震に、1回は耐えられたとしても、それ以降はどうなるかわかりません。

南海トラフによる巨大地震のおこる可能性が3回(東海・東南海・南海の各地震)、もしくはそれらが同時に起きることが想定されています。
1年前に、M8〜9クラスの地震が発生する確率は、10年以内に「20〜30%」、30年以内で70%、50年以内では「90%程度かそれ以上」に引き上げられました。
 一定の周期で繰り返す地震の場合、想定した地震が起きていない期間が長くなると、発生確率は増加していきます。
一昨年の発表では「20%」だった確率が、1年の違いで大きく跳ね上がったのです。
巨大地震はいつ起きるかわかりません。
明日かもしれませんし、「今」かも、しれません。

<「構造計算」と呼べない簡易な「壁量計算」>
世の大半の木造住宅(4号建築物)の設計では、耐力壁の長さやバランスだけを考慮する簡易な「壁量計算」が行われています。わずか、A3判で数枚です。
壁量計算」は構造計算とは呼べないです。
確認申請では、建築士が設計していれば、壁量計算の図や表、基礎の計算書は添付不要で、耐力壁位置の明示も添付不要です。これを4号特例といいます。
なので、役所や確認検査機関による第三者チェックがありません。
もしかしたら、壁量計算すらせず、「瑕疵担保保険検査で気づかれない程度に、適当に筋交をいれとけばいい」なんていう、悪質業者による手抜き住宅もあるかもしれません。
特に、建売住宅では途中で、施主が見る機会もないですから、施主から指摘されることもないわけです。施主が見てもわからないでしょうが。
新築着工棟数が減り、工務店各社の生き残りをかけたサバイバルな状況になっていますが、それに拍車がかかるのは、特に来年3月31日以降です。
消費税が10%にアップするのは、来年10月1日ですが、建築工事に関しては、特例で、半年前の2019年3月31日までに契約すれば現行の8%で済むため、駆け込み需要がそれまでは続きます。それ以降、一気に建設需要が落ち込むと想定されているからです。
受注するためには、ライバルよりも、1円でも安く提案し、コスト最優先とし、施主には見えないところで、材料と手間を省いた手抜きが横行するかもしれません。
 
<高度な構造計算・許容応力度計算による耐震設計>
  KANO空感設計では、 耐力壁線や床構面等も考慮した高度な、「許容応力度計算」と呼ぶ構造計算をしています。
最高ランクの耐震等級3及び耐風等級2(2が最高ランク)の設計をしています。
最高ランクの耐震等級3にする、経済的なメリットとして、被害が軽微で済み、補修費が少なくなることや、国の地震保険の割引が受けられ、50%割引になります。
ちなみに、等級2は30%割引です。
しかし、前述したように、大地震にあうたびに、耐震性は大きく低下するので、耐震性を上げるだけではダメなのです。
地震の揺れを半分以下に抑える制震工法による制震設計が重要です。
これについては次回ブログ。

<オープンハウス見学会のお知らせ>
愛知県岡崎市で、私たち夫婦建築士が設計した「備える家/岡崎」のオープンハウス見学会を開催します。7月28・29日
最高クラスの耐震等級3、地震の揺れを半分以下に抑える制振金物ガルコン、最高クラスの耐風等級2家具転倒防止金物設置下地感震ブレーカー付分電盤 防火 他
詳しくはこちらのオープンハウスお知らせサイトへ
岡崎のKANO空感設計 加納年勝

 次回ブログに続く。
「地震の揺れを半分以下に抑える制震工法(制震金物等)の重要性・頻発する余震対策、繰り返される大地震対策」