Blog / KANO空感設計 あすまい空感日記・・・明日の私(MY)の住まい

家づくりはどう変わるのか?住宅版改正省エネ法の講演会 その1

名古屋のACCという建築勉強会が主催する講演会によく参加します。
名古屋市役所近くのウィルあいちで、住宅版改正省エネ法の講演会が行われたので、行ってきました。
省エネ法という経済産業省管轄の法律があり、大規模な建物には、省エネ化を図るために届出が必要ですが、これを8年後には、小規模な建物である、全ての住宅にも適用されることが決まろうとしています。
現在はその基準づくりが行われています。
講師は、熊本のすまい塾 古川設計室(有)の古川保さんです。
住宅版改正省エネ法の基準づくりの裏側をご存じで、原子力村のような、官僚の天下り、大企業優先の構図が見えてくると言います。
環境省が全国20か所に建設した環境共生住宅のひとつである、水俣エコハウスの設計者でもあります。
飯田と浜松のエコハウスを見学したことがあります。下記過去ブログ
飯田市りんご並木のエコハウス見学
浜松市エコハウス「きづきの森」見学 その1
浜松市エコハウス「きづきの森」見学 その2
住宅版改正省エネ法では、断熱性能の義務化や住宅で使われるエネルギー総量を規制するのです。
ある一定基準の断熱性能や気密性能を法律の下に強制される事になれば、断熱性や気密性の劣る土壁・真壁(柱梁あらわし)、ログハウスやコンクリート打ち放しも建てられなくなる可能性があります。
改正省エネ法は、住宅で使うエネルギーを削減することが一番の目的であるはずです。
その趣旨には賛同します。
エネルギーを削減する方法は断熱や気密だけではありません。
パッシブデザイン手法である「熱取得」「蓄熱」「遮熱」「吸放湿」「通風」「採光」も住宅エネルギーを削減につながります。
「パッシブデザイン」とは、「太陽や風など自然のエネルギーを建築の工夫によって、最大限に活用、調節することで、快適性や健康性を獲得しながら、省エネに寄与する」建築の考え方です。
しかし、改正省エネ法は、それらを無視して、「断熱」だけを数値化して「その性能を守りなさい」と、押し付けること、また、全ての住宅に適用とはいかがなものかと思います。
住む人の自由や権利を奪っていいものなのでしょうか?
例えば、エアコンのない時代から、外部との緩衝空間として役に立ってきた「縁側」や建築家が得意とするガラスを多用した家は、計算上は、ガラスだらけで、熱損失が大きく、断熱性能の数値を悪くしますので、断熱基準を満たせず、縁側やガラスの多い家は、建てられないかもしれないのです。
太陽採光や風通しや、冬の太陽熱取得は無視なのです。
また、東西に細長く、どの部屋も通風採光が優れた家よりも、同じ面積であれば、風通しが悪く、暗い正方形平面で総2階の凸凹のない家のほうが、断熱性能数値が高くなり、「いい家」ということになってしまいます。
熱損失の大きい窓は、小さければ小さいほどいいということになり、世の中には、箱型で、小さな窓しかない家ばかりが建ち、日本の風土や気候を全く無視したような家だらけになることを懸念しています。
日本の家は古来より、欧米のようなレンガや石造りと違って、木造で、柱や梁で構築され、開放的なつくりでした。
その伝統や風土や気候を生かした家づくりができなくなってしまうのではないでしょうか。
そうならないような基準づくりをしてほしいと思います。
次回に続く。