Blog / KANO空感設計 あすまい空感日記・・・明日の私(MY)の住まい

「回廊の家/岡崎」 快適な床下冷暖房 その1

竣工して、1ヶ月たった「回廊の家/岡崎」の家にお伺いしました。

お施主様に住んでみての感想などをいろいろお聞きしました。
高気密高断熱と 床下冷暖房CCFスタイルのおかげで快適に過ごせているそうです。
外は風が強くて寒い日でしたが、中にいると全く感じませんでした。

この家のタイトルにもなっているように、「回廊」の一部として、中庭1を囲んで、2本の↑渡縁(わたりえん=造語です。渡り廊下のこと。)があります。
もともとは、この渡縁の冷暖房対策をどうするかが、この家の設計時の大きな課題でした。
南棟と中央棟を結ぶ、渡縁を行き来する時に、冬であれば、渡縁が無暖房だと、寒くて、ヒートショック(心臓への圧迫)を起こしてしまい、危険ですし、夏は、中庭に面して大きな窓があるので、かなり暑くなることが予想されました。
暖房に関しては、床仕上材直下に敷く床暖房という方法もありますが、冷房については、細長くて、こんなところに壁掛けエアコンを付けるのは邪魔ですし、渡縁の天井ふとことがなくて、天井埋込エアコンもできません。
そこで考えたのが、「自作自然の家/岡崎」でも採用した、床下冷暖房だったのです。
床下空間は一般的には、断熱ライン外であり、外気と通じており、床面直下で断熱を行う床断熱が一般的ですが、この家では、基礎断熱とし、床下空間は、断熱ライン内になるので、床下に大きな室内空間があるのと同じです。
三菱製の特別に開発されたエアコンを、収納スペースなどの床面に置き(前面は木製ガラリで隠してあります)、床下に設けたチャンバーボックス(断熱材内張りの箱です)に接続された送気ダクト(管)から、床下空間各所へ、暖気や冷気を送るのです。

冬であれば、床下空間全てが暖まるのです。さらに、掃出し窓近くなどには、床面に設置した、↑送風ガラリから、直接暖気が上がってきて、コールドダウン(窓で冷やされた冷気が窓面を伝って床におりてくる現象)対策にもなります。

和室は畳敷きなので、暑い畳が断熱材代わりとなってしまい、床下冷暖房の効果が発揮しにくいので、和室床の壁際に、↑送風スリット(すきま)を木製で造り、全周に廻しました。
風情ある和室に、壁掛けエアコンって、デザイン的に違和感ありますが、全く機械が見えず、すっきりします。
全館冷暖房なので、玄関でも、廊下でも、トイレでも、洗面室でも、家じゅうどこでもエアコンが効いているので、冷暖房室と非冷暖房室の温度差の不快感がありません。
これが一番すごいことだと思います。
床暖房は、床にごろ寝すると低温やけどの危惧があったり、置ける家具の制限(足付にするなど)がありますが、床下冷暖房はそれらの懸念がなく、無垢フローリングも、高価な床暖房用フローリングでなくても、採用することができます。
床暖房は、部屋の全面積に敷くことは、通常せず、部屋の中央に7割くらいに敷くのが一般的なので、スリッパをはかずにすごすと、同じ部屋内で、敷いてあるところと、敷いてないところは、明確に分かってしまいますが、床下冷暖房は全面積を暖めたり、冷やしたりするので、そういうことがありません。
「スリッパを履かないで暮らしたい」、「ソファを使わず、床に座って暮らす床座スタイルが好き」という人には、特に快適さを感じます。
ダイニングを背の高いテーブルではなく、低い座卓や低い造作カウンターとして、足元を掘り込んで、床に直接座って、ごはんを食べる設計を、なんどかしたことがありますが、この場合も、床下冷暖房は快適だと思います。
次回に続く。