Blog / KANO空感設計 あすまい空感日記・・・明日の私(MY)の住まい

建築家の安藤邦廣さんの講演会

私が所属している愛知建築士会が、「木塾」という木造の勉強会を今夏から来春にかけて、ひと月に1回ペースで行っています。
名古屋栄で開催されたので、参加してきました。
講師は、筑波大学教授で建築家の安藤邦廣さんです。
先生は古民家の研究者でもあります。
講習会会場で、先生の著書も販売していたので、「民家造―素材を生かす技、暮らしを映すかたち」という本を買ってきました。
以前から、古民家に関心がありましたし、私たちは、和モダンの「暮らせる蔵」や古民家スタイルの「(仮称)刈谷の家」を設計しています。
日本の気候風土に根ざした民家の造られ方を研究するのは、何も毎回、民家スタイルの家を設計するわけではないけども、今後の設計にとっても重要だと思い、私にとってのライフワークのようなものになりつつあります。
講習会のテーマは「今どのような木の建築をつくるか 住まいの伝統技術から板倉の家」です。
タイトルにある「板倉」とは、文字通り、「木の板で作られた倉」のことです。
奈良時代の正倉院の校倉(あぜくら)造りを歴史の授業で習ったことを覚えていらしゃいますか。
これも、「木の倉」の一種ですが、壁に使った木の断面が三角形をしています。

倉というと、「土蔵」のように、土壁を塗り、しっくいなどで仕上げた建物を思い浮かべますが、古くは、木の倉の方が歴史があるのです。
今でも日本各地に木の倉は残っています。
厚板や台形断面の木を組み上げた「井籠(せいろう)組」が多いです。
安藤さんは現代の家づくりにおいて、この「板倉」を現代の技術で進化させた、「板倉構法」を提唱され、実際に設計しています。
杉の厚板を柱と柱の間に落としこんで壁にするのです。
杉のもつ断熱性、吸放湿性、防火性(厚い木は表面が炭化し、それ以降は燃えにくくなります)、きれいな空気・健康性に着目し、国産材である杉の使用促進、森林保全、CO2の削減にもつながります。
板壁表面に、さらに縦に別の板を打ち付けることにより、耐震性も向上します。
同じようなことを研究している建築家に、大阪の三澤康彦さんがいます。
杉板の代わりに、杉の三層パネルである「Jパネル」を使っているのです。

お二人とも、伝統的な木造建築から発展させて、新しい木造の可能性を追求する姿勢に感心します。
私たちも、自分たちなりに考えた、気候風土や伝統を生かした家づくりをしたいと思います。