Blog / KANO空感設計 あすまい空感日記・・・明日の私(MY)の住まい

「時を味わう中庭の家」の概算

5月に計画案を提出した、「時を味わう中庭の家」の豊田の方がいらっしゃいました。
提出している概算工事費について、詳しく聞きたいということでした。
1階がかなり大きく、2階はごく一部で、ほとんど平屋のような建物で、かつ中庭型の家なので、どうしても、工事費が高くなります。
基礎や屋根面積、外壁面積、内壁面積が増えるからです。
足場などの仮設費も増えます。
1階がほとんどなので、下屋という1階の屋根のある部分が大きいため、その部分の小屋組構造体を作るための木工事費も増えます。
同じ床面積でも、どれだけ標準的な形の家に比べると、工事費が増えるかということを、2つのモデル案を使って分かりやすく説明しました。
1つは、中庭型でなく、1階が2階よりも大きい標準的な家(1,2階の床面積比率を6:4としました)
もう1つは、1,2階の床面積が全く同じ「総2階」の家です。
当然、総2階の家の坪単価が安いことは容易に想像していただけると思います。
〇〇ホームのように、極端に安い坪単価を広告にしている会社の坪単価は、50坪くらいの大きな家の総2階をベースにしていることがありえますので、注意が必要です。
家が大きくても、2世帯住宅でないなら、必要とするキッチンなどの水廻りの数や階段の数は変わらないので、大きい家ほど坪単価は安くなります。
2案の外形だけの簡単なプランとパース(完成予想図)を作って、今回の案も含めた3案で、それぞれの各階面積、建築面積(1階床面積に近い)、下屋の比率、屋根面積、基礎面積、外壁面積を計算して表にしています。
例えば、屋根面積について、標準的な形の家を1とすると、総2階は0.7、今回案は1.5になります。
だからといって、今回案の坪単価が1.5倍になるかというとそういうわけではありません。
屋根工事費は全体の工事費からすると、屋根材にもよって異なりますが、数%だからです。
それが1.5倍になるのです。
他の工事項目についても同様に、何割増しになるかを合計すると、標準的な形の家に対し、今回案は何割増しかという計算が概算でできるのです。
ただし、これから設計をするのであって、全ての仕様を計画時で決めているわけではないので、この概算も流動的です。
あくまでも、私達、設計事務所はお施主様の予算に合わせて設計をするのです。
ハウスメーカーや設計施工の工務店のように、その会社が決めた価格に、お施主様が合わせるのではないのです。