Blog / KANO空感設計 あすまい空感日記・・・明日の私(MY)の住まい

液状化対策の地盤補強工法9 液状化しやすい・地盤の弱い可能性のある土地の地名

前回のブログの続きです。
「地名はその土地の歴史」をあわらします。
水に関する地名は、液状化しやすく、地盤が弱いことが多いです。 
以下は、あくまでも参考であり、その可能性があるということです。
水に関した人名由来の場合もありますので。

 前回ブログで書いた新田開発地は、地名や史跡名等に○○新田が残っていることがあります。
「新田」は、海や池の干拓地だけでなく、低湿地や荒れ地を新しく開墾した田んぼも含みます。
「田」は田んぼ。
 「谷」は、水が集まりやすく川が流れていた低い土地や土砂崩れが多い土地。谷がない場合は埋めた土地。
 「窪、久保、溝、下、深」は低地。
アクツ、アクトを連想させる地名「飽屈、阿久津(あくつ)、秋戸(あきど)」等は低湿地。
 「川、岸、橋、堤」は、川などがない場合は川などを埋め立てられた土地。
「枝、江田」は川の支流に沿った低地。
「河、江、瀬、浦、窪、沼、池、沢、澤、潟、湊、浜、海、津、汐、潮、洲、灘」など水に関するサンズイのある地名
「島、岬、崎、舟、魚、貝」など水に関する地名
「井、泉、清水」は湧き水を示す地名
「荻、蒲、菅、芹、芦、葦、蓮、柳、茅、鴨、鶴、亀」など水辺に見られる動植物に関連する文字のある地名
「築地、月」は人工的に築かれた土地。例:東京・築地、月島
「砂」は砂浜。例:東京・江東区砂町や砂がつく地名
     
地名は災害を回避するための情報が含まれていることがあります。
先祖たちは災害の恐ろしさを地名に託し、後世に伝えようとしていたのです。
「蛇、竜、押切、袋、大曲、河合、越」は川が氾濫した土地。

土地区画整理や住居表示改訂や住宅事業者等が販売しやすいよういいイメージの地名に変えられたなどで、旧地名がわからなくなっている場合もあります。
「緑」は若々しいイメージの地名で、全国12の「緑町」で液状化履歴があります。
「日の出、末広、寿」などイメージがいい地名、おめでたい地名は新しい土地ですから要注意です。
高台でもないのに、○○台と名付け、元田んぼに盛り土造成されたところもあります。
 
伝えられる途中で読みが変わってしまったり、当て字で別の意味合いを持つようになってしまった例もあるので注意が必要です。
「梅」は、埋め立て地。例:大阪・梅田

そこで読み方のオン「音」に注目してみます。

河川の氾濫があった場所
扇状地ではアオギ、シバ、イノ、イノウ、ソネ、ワダ、ハヤシ。
谷地、低地では、サクラダニ、サコ、ソウタ、ナベ。
平地では、ヒロ、アサヒ、キライ、エダ、イマイ、ナガレダ、カマ、ヒジ、フケ、ミスキなど。
高潮、津波などがあった場所では、ヒロ、カガ、カチ、スカ、フクラ、アマベなど。
地すべり、土砂崩れなどがあった場所では、ホケ、フキ、アナ、クラ、カキ、ウメ、ナベ、フタ、クレ、タイ、アソなど。

砂州・干潟では、 伊佐(イサ)、砂子(イサゴ)、鹿田(シカ)、州(ス)、須賀(スカ)、菅(スガ)、手間(テマ)、由左(ユサ)、由良(ユラ)など。

今回は、液状化がテーマなので、液状化や水に関する地名や地盤の弱い地名を中心に挙げましたが、その他にも地名は、がけ地由来の地名(例:オチ「落ち」、クズレ「崩れ」、オシ「押し」)など様々な過去の歴史を伝えてくれています。
 地名はあくまで参考であり、地盤の強度や液状化の可能性を確かめるには、地盤調査や液状化試験をすることをおすすめします。
次回に続く

2018.03.10「構造・地震
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