口から入る有害物質
最近、食の安全がしきりとTVのニュースなどで報道されています。
事故米や、冷凍インゲンの話題です。
直接、口にするものですから、その安全性に敏感になるのはよく分かります。
運が悪く、口にしてしまい、症状が出れば、あの食材が原因かもと疑うことができ、因果関係が比較的容易です。
しかし、同じく口から入るものは食べ物や飲み物だけではないのです。
それは空気です。空気は寝ている時も、24時間365日、口を通して、私達の体の中に入ってくるのです。
TVのニュースなどではあまり、取り上げられませんが、めまいや頭痛、耳鳴りなどを引き起こすシックハウス症候群は家の中の有害な揮発性有機化合物(VOCといいます)が原因です。
最近、お会いした某塗料メーカーの営業マンはVOCを低減する効果のある塗料のPRに来られたのですが、自身が10年ほど前に購入したマンションで、発症したといいます。
耳鳴りと頭痛がひどく、治療に通ったが、頭痛は治ったものの、今でも耳鳴りが後遺症として残っているそうです。
シックハウスになっても、その原因が特定しにくく、お医者さんにかかっても、シックハウス症候群に詳しくない方が多いので、別の症状と判断されてしますケースが多いそうです。
当時は、建築基準法でホルムアルデヒドの規制をしていなかったこともあり、特に気密性の高いマンションでも、なんらシックハウス症候群対策がされていないマンションが普通に建てられていました。
私もマンションを10年前と8年ほど前に設計をしましたが、大手デベロッパー(=開発会社)が建築主であったことから、シックハウス症候群対策を要望されたので、なるべくホルムアルデヒドの少ない建材を使って配慮した設計を行いました。
大手デベロッパーが対策を取り始めたばかりの頃なので、中小デベロッパーでは、まだまだ、そういう認識はあまりなかったと思います。
マンションの広告でも、耐震性や設備や広さをうたったものばかりで、室内空気環境についてうたっている広告はほとんどありませんでした。
これは、ハウスメーカーなど戸建て住宅でも同様だったと思います。
当時としては、このようなケースはまだ少なかったと思います。建材メーカーもホルムアルデヒド対策を始めたばかりの頃でした。
現在、建築基準法でホルムアルデヒドを含む建材のホルムアルデヒド量をF☆☆☆☆などとして、☆の数で表しています。☆4つが最高等級で、☆が少なくなるほど、ホルムアルデヒド量が増えます。F☆☆☆☆でもホルムアルデヒド量が0ではないということに注意を払ってください。
また、F☆☆☆☆の「F」はホルムアルデヒドの英単語の頭文字の「F」の意味であり、その他のVOCについては、白蟻駆除剤のクロルピリホス以外規制がありません。
厚生労働省から、トルエンやキシレンなど他の12物質も指針値(これ以下に抑えるといいよ)を出してはいますが・・・法的拘束力がありません。
当時はF☆☆☆☆という表示ではなく、FC0とかFC1とランク付けされていました。(このランク付けは建築基準法ではありませんでした)。FC0が最高ランクですが、今のF☆☆☆☆(0.08PPM以下)より、ホルムアルデヒド量が多かったです。
なので、FC0建材を使っていても、シックハウスになってしまう方はいらっしゃったと思います。
現在、F☆☆☆☆なら、なんでも安全という、間違った風潮があるような気がします。
食べ物の安全性が大きく取り上げられていますが、
空気も吸わないわけにはいかないのです。





