長野県飯田市建築見学 その3
昨日のブログの続きです。

モデルハウスを後にして、近くの飯田市小笠原家書院と小笠原資料館へ行きました。
小笠原資料館は世界的な女性建築家の妹島和世(せじまかずよ)さんが設計した建築物として、有名です。
重要文化財でこけら葺きの日本建築である、小笠原家書院と現代的なガラス建築の小笠原資料館が並列している様は、過去と現代が隣り合わせになった不思議な感覚です。
受付で入館料を払うと、係の方が、小笠原家書院の内部を解説付きで案内してくれました。
この建物は、江戸時代初期の旗本の武家屋敷の一部で、接客に用いられた書院です。

がけに半分乗っかっていて、京都清水寺のように架構の上に乗っている珍しい建物です。

内部に入ると、入側と呼ばれる廊下のような空間に設けられた障子と上部の大きなランマに設けられた障子から、光がきれいに差し込みます。

この光を妹島さんは、資料館で表現したのだと思います。


建物は宙に浮いていて、上空から見るとごくゆるやかな逆S字形になっています。
武家屋敷の遺構でもある敷地をそのまま残すこと、背後の山の曲線になじむこと、湿気対策で、このような形にしたそうですが、書院との対比をデザインしたかったのかなと思います。
書院のどっしりと安定感のある「静」に対し、資料館の軽やかな動きのある「動」
書院の全て自然素材で造られたつや消しの表情に対し、資料館の人工的な素材であるガラスや鉄で造られた表情。
賛否両論ありそうな建物です。
海外の人が見たら、どう評価するんだろう?
自分だったらどういうデザインをしたんだろうか?
書院に合わせて、和のデザインをしても、本物の重要文化財の存在感に負けてしまうでしょう。
隣に竹林の山があったので、地中か半地中に埋め、「見えない建築」にするのがいいかなー。しかし、コストや湿気対策も考えないといけないし・・・。難しいところです。
妹島さんが設計した建物を過去にもいくつか見学していますが、残念なことに、メンテナンスがいき届いていない建物が多いです。
この建物は竣工12年が経過しており、内部の塗装のはげや、床の樹脂タイルのはがれが目立ちました。
なるべくメンテナンスが少なくてすむ設計を心がけないと、と思います。





