「備える家/岡崎」 基礎工事 捨てコンクリート打ち
設計した、「備える家/岡崎」の現場監理へ。
液状化対策地盤補強であるスーパージオ工法の施工が完了し、その地盤改良体の上に、「捨てコンクリート」と呼ぶコンクリートを打ちました。
液状化対策地盤補強であるスーパージオ工法の施工については、前回、前々回、前々々回の各ブログで説明しています。
略して、「捨コン」と呼んでいますが、「捨て」なんて、なぜだか「どうでもいいような印象の言葉」がついていますが、重要なものです。
その重要性のためか、公共建築物では、「均し(ならし)コンクリート」と呼ぶようになっています。
しかし、民間建築物ではいまだに、「捨てコン」と呼ぶのが普通です。
建物の位置の基準となる墨を打ったり、今後行う、基礎の配筋(鉄筋を組み立てること)をしていくうえで、フーチングと呼ぶ深い基礎の部分の直下を水平にする目的や、型枠を立てやすくするなどの目的があります。
捨てコンを打ってない、凸部は、砕石の上に、防湿シート(湿気が地中から上がってくるのを防ぐ)を敷いてあります。
木造住宅の基礎の種類には2種類あります。布基礎とベタ基礎です。
KANO空感設計では、過去では一般的だった、帯状に設ける、布基礎(逆T字型の基礎形状)ではなく、底盤(ベース)全面にコンクリートを打つ、ベタ基礎を採用しています。
面で家の荷重を受けることができます。
どちらの工法も、各々一長一短あります。
今や、世の中の最近の住宅の大半は、ベタ基礎がほとんどです。
ただし、その配筋方法等は工務店等によって様々です。
ぱっと見た目で、ベタ基礎形式なら、なんでもいいというわけではないです。
建物の外周には、フーチングと呼ばれる、部分的に、深い基礎を設けることが一般的ですが、フーチングがない設計の家もあります。
家の内部については、立ち上がり基礎だけを設ける設計の家もあります。
その場合は、この家のように、配筋前の状況が、この写真のように点在する島状にはなっていないです。
地中梁といって、底盤の下に大きな基礎がちゃんと何本もある家は、この写真のようになります。
KANO空感設計では、構造計算をして、基礎を設計していますので、簡易なスパン表などの方法で決めた基礎と比べ、地中梁があったり(スパン表を使っていても地中梁を設ける設計もあります)、鉄筋の量が多かったり、底盤の鉄筋の間隔の細かいところがあったりします。
ハウスメーカーの中には、布基礎を採用している会社もあります。
今後、底盤コンクリートを打つと、捨コンや、防湿シートは隠れて見えなくなります。